【ラノベレビュー】ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います 香坂マト(電撃文庫)

ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います(電撃文庫) 「ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います」 あらすじはタイトルのとおり、ギルドの受付嬢・アリナが、残業をしないためにボスをソロ討伐す…

【ラノベレビュー】『豚のレバーは加熱しろ』 逆井卓馬 (電撃文庫)

豚のレバーは加熱しろ 逆井卓馬 (電撃文庫) (作品紹介――未読者向け) 「豚のレバーは加熱しろ」 強烈なタイトルである。また、その冒頭もライトノベル史に残る一文となるだろう。 この物語を通して諸君に伝えたいことは、ただ一つ、豚のレバーは過熱しろと…

【ラノベレビュー】この△ラブコメは幸せになる義務がある。 (電撃文庫)

この△ラブコメは幸せになる義務がある。 (電撃文庫) (作品紹介――未読者向け) 主人公・矢代天馬は、高校2年生初日のクラス替えで、金髪碧眼の美少女・椿木麗良、「氷の女帝」と称したくなる気高さと美しさをまとう皇凜華と同じクラスになる。友人の速水颯…

【ラノベレビュー】給食争奪戦 (電撃文庫)

給食争奪戦 (電撃文庫) 第20回電撃小説大賞<電撃文庫MAGAZINE賞>受賞作。小学生を登場人物とした4つの短編と、最後の1編はそれまでのストーリーで登場してきたキャラクターたちが高校生となって活躍する、全5編の群像小説。表題作「給食争奪戦」は年一回の究…

【ラノベレビュー】隙間女(幅広)(電撃文庫)

隙間女(幅広) (電撃文庫) 都市伝説を題材としたボーイミーツガール短編集。表題作の「隙間女(幅広)」は、家具と家具の隙間にいる「隙間女」を広所恐怖症と解釈し、部屋の外から出られない引きこもり少女として描く。主人公の部屋という小さな世界で展開さ…

『千歳くんはラムネ瓶のなか』における焦点移動

千歳くんはラムネ瓶のなか 5 まだ未完の論考です。 今回投稿する部分は、「焦点移動」というニッチな内容で、しかも冗長のわりにしょうもないことしか言っていないです。 これから本題に入っていくにあたっての準備運動みたいなものですが、自分の背中をた…

【ラノベレビュー】火界王剣の神滅者 (HJ文庫)

火界王剣の神滅者 (HJ文庫) 2013年の作品ですからもう10年近く前ですね。当時もあまり注目もされていませんでしたが、個人的には良作だと思っていました。以下の感想も2013年当時の物です。 誰かに届けば。 =====以下、本文===== ライトノベルで戦…

【ラノベレビュー】『ミス・ファーブルの蟲ノ荒園』(電撃文庫)

ミス・ファーブルの蟲ノ荒園(アルマス・ギヴル) (電撃文庫) 荒地〈アルマス〉 それは少女にとって『楽園』と同義だった。 時は19世紀のフランス、作中に「フランス革命」や「ナポレオン戦争」の文字が出てくるから、漠然と学校の世界史で習ったフランスをイ…

【ラノベレビュー】『負けヒロインが多すぎる!3』

遅ればせながら、『負けヒロインが多すぎる!3』の感想(というか考察)書きました。 今回は酒飲み実況ではなく、少し硬めに書いてみました。

【ラノベレビュー】『いでおろーぐ!』(電撃文庫)

『いでおろーぐ!』は2015年に発表された作品です。 「リア充爆発しろ」で非モテ革命を起こすだけの小説かと思いきや、とんでもない。 人間が実は地球を滅ぼすために作られた存在だというSF設定により、「リア充爆発しろ」が「セカイ系」と結びつき、(こ…

【ラノベ&アニメレビュー】異能バトルは日常系の中で(GA文庫)

異能バトルは日常系の中で 第1巻 書影 時間や空間を操る力――そんな異能に目覚めたとある高校の文芸部員たちが、お決まりのバトルをするでもなく、ただただ平穏な日常を過ごすというラブコメ作品。 アニメ版は原作で主人公が乱発した引用ネタをカットするな…

【ラノベレビュー】終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?(角川スニーカー文庫)

終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? (角川スニーカー文庫) 第1巻書影 未知の怪物「獣」によって多くの種族が滅ぼされた後の世界。生き残ったものたちは地上を離れ、空に浮かぶ群島に暮らしている。青年ヴィレム・クメシュが、…

【ラノベレビュー】現実でラブコメできないとだれが決めた?2

現実でラブコメできないとだれが決めた? (ガガガ文庫) 第2巻書影 『現実でラブコメできないとだれが決めた?』(以下、「ラブだめ」)2巻を読みましたので、感想を書きます。 ただし、1巻のレビュー同様、詳細な登場人物紹介やあらすじ紹介はしない(その…

【ラノベレビュー】リア王!

リア王! (HJ文庫) 第1巻書影 またまた過去作からの投稿ですが。「リア充」爆発しろ、ではなく、「リア充という制度」こそ爆発させた、素晴らしい作品です。 ========== 高校生にとって学校は世界のすべてであるが、その学校を貫くのは「リア充」…

【ラノベレビュー】インテリぶる推理少女とハメたいせんせい

インテリぶる推理少女とハメたいせんせい In terrible silly show.Jawed at hermitlike SENSEI (HJ文庫) 第1巻書影 今回も過去に書いた文章から投稿します。HJ文庫と聞いてこの作品を思い浮かべる人も多いはず。 ーーーーーーーーーーーー 人間は無作為にテ…

【ラノベビュー】『おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!』

おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ! 第1巻書影 以下の文章は10年近く前――「オタリア」発売直後に書いたものなので、ライトノベルにおける「リア充」の描かれ方へのとらえ方が少し古びていると感じられるかもしれません。 ただし、作品分…

【ラノベレビュー】『千歳くんはラムネ瓶のなか』

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫) 1巻書影 ※このレビューでは、あらすじの紹介もしていなければ、面白かった、などの感想もありません、一般に使われる意味での「考察」でもありません。『千歳くんはラムネ瓶のなか』を読んで考えたことをダダ漏らし…

【レビュー】『負けヒロインが多すぎる!』

負けヒロインが多すぎる! (ガガガ文庫) 書影 〇 ラブコメの王道 『負けヒロインが多すぎる!』(第1巻)を読みました。この作品の特徴ですが、その名のとおり、ヒロインがみんな失恋します。 なんなら、開幕即失恋です。 主人公・温水和彦と、開幕即失恋し…

【論評】『現実でラブコメできないとだれが決めた?』

現実でラブコメできないとだれが決めた? (ガガガ文庫) 第1巻書影 (前フリ) 「上野原彩乃はたった一人の、俺のラブコメにしかいない、特別な登場人物なんだ。だから頼む。これからも、俺を、俺の計画を――隣で、支えてくれないか?」(P308) 今回は、この…

【ラノベ甘口レビュー】『飽くなき欲の秘跡』

飽くなき欲の秘跡 第1巻 書影 主人公・世杉見識は男子高校生にして異能を売買する店のアルバイト店員。異能とはいっても取り扱うのは「すね毛を抜く異能」「文字を判読する異能」など、地味で脱力させられるユニークなものばかり。見識の仕事はそんな異能所…

【ラノベ甘口レビュー】『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。』(電撃文庫)

明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 (電撃文庫) 第1巻書影 ある日、一人の少女の事故現場に遭遇した坂本秋月は、黒ローブの謎の人物から“おまえの寿命の半分で、彼女をたすけてやろうか”と選択を迫られる。男の提案に従い少女を救ったはずの秋月だったが、…